FM089

 

 

前回ご紹介した、過少資本税制ですが、
実は・・予測可能性が高い制度なので、実際に制限される事例は・・ほとんどなかったんですね。

逆に、過少資本税制を潜り抜けて、依然、「国外関連者への支払利子」という形で租税回避を行っている事例が多発していました。

そこで、今回の「過大支払利子税制」という制度が設けられました。
 


 

1. 過大支払利子税制って?

調整所得金額の50%を越える「国外関連者への純支払利子等」につき、損金不算入とする制度です。
 

2. 制度概要(租法66の5の2)


(1) 損金不算入額

損金不算入額 = 関連者純支払利子等の額 ‐ 調整所得金額 × 50 % )

関連者 直接・間接の持分割合50%以上または実質支配・被支配関係にある者等
関連者純支払利子等 関連者への支払利子等の額-対応する受取利子等の額
調整所得金額 当期の所得金額+減価償却・関連者の支払利息等(≒EBITDA)

 


 

(2) 損金不算入額の繰越(租法66の5の3)

損金算入されなかった金額は、翌事業年度以後、7年間繰り越して一定限度額まで損金算入することができます
 


 

3. 適用除外(租法66の5の2④)

次のいずれかに該当する場合、過大支払利子税制は適用されません。
 
① その事業年度の関連者純支払利子等の額が1,000万円以下
② その事業年度の関連者支払利子等の額の合計額が、総支払利子等の額の50%以下
 

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