No13.自己資本利益率(ROE)・総資産利益率(ROA)・ファイナンシャル・レバレッジ(FL)とは?
1.自己資本利益率(ROE)とは?
株主資本利益率ともいわれます。
株主資本(=自己資本)に対して、当期純利益がどれくらいでているのか?を示す指標となります。
最近は、このROEを重視する企業も多いですね。Return on equityの略となります。
ROE(%)=(当期純利益÷自己資本)×100
2.総資産利益率(ROA)とは?
総資産(負債+自己資本)に対して、当期純利益がどれだけでているのか?を示す指標となります。
ROEと同様、ROAも重視する企業は多くなってきましたね。Return on Assttsの略となります。
ROA(%)=(当期純利益÷(負債+自己資本))×100
3.ファイナンシャルレバレッジ(FL)とは?
借入金に対して、どれくらいの総資産を保有しているのか?という比率を示す指標です。
裏返すと、自己資産に対して総資産はどれくらいか?も示しています。
FL(%)=(総資産÷自己資本)×100
4.事例
以下のA社とB社は、借入金と自己資本の金額が、全く正反対となります。
それぞれのFL、ROE、ROAを比較すると、次の通りとなります。
A社 | B社 | |
---|---|---|
①借入金 | 80,000 | 20,000 |
②自己資本 | 20,000 | 80,000 |
③総資産(=① + ②) | 100,000 | 100,000 |
④利益(支払利息控除前) | 5,000 | 5,000 |
⑤支払利息 | 2,400 | 600 |
⑥利益 (=④ ‐ ⑤) | 2,600 | 4,400 |
⑥FL(③ ÷ ② × 100) | 500% | 125% |
⑦ROE(=⑥ ÷ ②) | 13% | 5.5% |
⑧ROA(=⑥ ÷ ③) | 2.6% | 4.4% |
実は、式を読み解くと、ROE=ROA×FLとなります。
何を意味しているかというと、
FLが高ければ高いほど(=借り入れが多いほど)ROEは高くなるということです。
これは、「レバレッジ効果」と呼ばれます。
借入が多ければ多いほどROEを高める効果があるので、借入自体は、ROEにとってはよいということですね。
この例では、A社の方が、借入が多く、しかもROEはB社よりも高くなっています。