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1.掛売りはリスク?

例えば、売上を計上した際の回収手段として、「掛売」や「手形で回収」するケースがあると思います。

でも、これって現金で受け取るよりも危険ですよね?

なぜなら、手形や売掛の場合は、お金が入ってくる前に、先方が倒産してしまったら、回収できなくなってしまうからです。
なので、掛売や手形で回収する場合は、現金でもらうよりも、「少しばかりのリスク管理」が必要となります。
 

2.貸倒引当金とは?

将来の貸倒れに備えて、一定の費用を、貸倒れる前の段階から先に計上しておくというものです。
つまり、将来の回収リスクにそなえた「保険的なもの」で、先に計上しておくことにより、将来の損失を和らげる効果もあります。

例えば、普段から「金払いの悪い取引先」の売掛金は、貸倒の可能性が他社より高いわけですので、高めに貸倒引当金を見積もっておきます。
逆に、「優良な取引先」に売掛金がある場合は、貸倒引当金はゼロでもよいかもしれません。
 

3.お金が出ていかないのに費用?

貸倒引当金は、将来の損失に備えたものですので、もちろん、その時点でお金がでていくわけでありません。

しかし、売上を計上した時点で、将来貸倒れが起きる可能性はゼロではないので、「お金が出ていく前から計上」しておくものです。

お金が出ていかないのに費用計上??

でも、掛売りした時を考えてみてください。
掛売りした時点では、お金は入ってきていませんが、「売上(収益)」は計上します。
逆に考えると、お金出ていかない場合にも、「費用」を計上する場合はあるわけです。

この「貸倒引当金」は、まさに「お金がでていかなくても」先に計上しておくものですね。
会計は、「お金の出入り」だけで会計処理が行われるわけではない点、留意しましょう。

 
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