No54.会社分割(分社型)と現物出資の違い
「現物出資」と「会社分割」(分社型)って、何となく似てますよね。では、違いはいったいどこにあるんでしょう?
どちらも、資産を他社に移動させる代わりに、対価として株を取得するという点では共通しています。
今回は、これら2つの違いを解説します。
1.共通点
現物出資は、単に、金銭以外をもって行う「出資行為」ですが、会社分割は、「組織」を異動させる行為ですので、「組織再編」の一種です。
したがって、資産を他社に移転させ、株を取得するという「効果」は同じですが、手続きは大きく異なります。
まとめると以下の通り。
2.相違点
現物出資 | 会社分割 | |
---|---|---|
目的 | 出資行為 | 組織の再編(組織法) |
譲渡対価 | 金銭以外 | 原則株式発行(対価不要) |
権利義務の移転 | 個別財産の出資 | 権利義務の包括承継 |
検査役の検査 | 原則必要 | 不要 |
消費税 | 課税 | かからない |
不動産取得税 | 一定の場合、 不動産取得税がかからない。 (要件は、会社分割と異なる) |
一定の場合、 不動産取得税がかからない (要件は現物出資と異なる) |
なお、「適格現物出資」の要件は、実質的には「適格分割」と同様ですので、詳細は、会社分割って何?をご参照ください。
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