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相続あるいは贈与の場面において、法人が「保有」する非上場株式の「評価」については、評価差額(含み益)に対する「法人税相当額」は、控除せずに評価を行います(財基通186-3)。

一方、法人自体が、保有する非上場株式を「売却」する場合も、「非上場株式」を評価する必要が生じます。
この場合は、法人税上の売却価額の論点となりますので、法人税上の「時価」で取引を行う必要があります。

この点、第三者間売買で、合理的な根拠のある取引価額があれば、恣意性が介入しないため、法人税上も、問題ないものと考えられています(DCF法や時価純資産法等)。
一方で、売却先が株主や従業員等の場合は、恣意性が介入する余地があるため、こういった場合を想定して、法人税法上の「非上場株式の評価方法」が定められています。

今回は、法人が保有する「非上場株式」を取得、売却する際の時価の論点、「法人税法上の非上場株式の評価方法」につき解説します。

 

1.法人税上の「非上場株式」の時価の規定

非上場株式に係る「法人税上の時価」については、法人税基本通達(9-1-13、14)に規定があります。
厳密には、当該規定は、「資産の評価減」の規定ですが、実務上、当該規定は、株式譲渡時の「時価」の根拠としても活用されます。

なお、当該「法人税基本通達」の内容は、直接、非上場株式の評価方法を定めているわけではなく、相続税上の「財産評価基本通達」による評価方法をベースに、一部修正した価格であれば、法人税法上の「時価」として「認める」という内容です。
 

【法人税基本通達9-1-14の要旨】

「課税の弊害がない限り」、以下の修正を条件に「財産評価基本通達」(178~189-7)で算定された価額を利用してよい。

(1) 原則的評価(※1)かつ、当該法人が当該株式の発行会社にとって「中心的な同族株主」(※2)に該当するときは、当該発行会社は常に、「小会社」(※3)として取り扱う。
(2) 株式発行会社が有する土地等や上場有価証券は、財産評価基本通達185の「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、当該事業年度終了の時における価額による。
(3) 財産評価基本通達185の「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、同通達186-2により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額は控除しない。

(※1) 財産評価基本通達 179、189-3の(1)で同通達179に準ずる場合を含む。
(※2) 財産評価基本通達 188の(2)の「中心的な同族株主」。法人税上、「中心的な同族株主」の判定時期につき明文規定はありませんが、所得税上は「譲渡前」と明文規定があり、所得税同様に譲渡所得に対する課税という点から、譲渡前の議決権数で判断する考え方が多数説です。
(※3) 財産基本通達178に定める「小会社」

 
なお、実務上は、ほとんどないかと思われますが、事業年度終了日前6月間に実際売買事例があるものや、公開途上にある株式等に関しては、別途の規定があります(法基通9-1-13)。上記の9-1-14は、原則的な規定(同9-1-13)の例外的な位置づけとなります)。

 

(上記の影響)

  • 小会社の場合、「純資産価額方式」 or 「純資産価額×50%+類似業種比準価額×50%」で評価。
  • 上記で「類似業種比準価額」を計算する際の斟酌率は0.5ではなく、会社規模で判定(0.7・0.6・0.5)(2020年3月24日最高裁判決)。
  • 評価差額に対する法人税等に相当する金額を控除しない

⇒通常は、株価は高くなる傾向があります。

 

2.小会社と取り扱う必要がない場合

「小会社」と取り扱う規定(法基通9-1-14(1))は、法人が取得、売却する際のすべての場合の「時価」を規定しているわけではありません
あくまで、「原則的評価」かつ、当該法人が当該株式の発行会社にとって「中心的な同族株主」の場合に限定されています。
つまり、それ以外の場合は、「小会社」と取り扱う必要はなく、財産基本通達の原則通りの評価で問題ありません。
 

同族株主等以外の少数株主が取得した株式 原則 配当還元方式(財基通188-2)
特定の評価会社(比準要素1の会社、株式保有特定会社、土地保有特定会社、開業後3年未満の会社等) 原則 純資産価額方式
同族株主であっても中心的な同族株主でない場合 原則 配当還元方式(財基通188-2)

 

3.土地等や上場有価証券は「事業年度終了時」の時価で評価

土地や上場有価証券の評価については、法人税上、財産基本通達の取扱いが9-1-14(2)で一部修正されています。比較すると以下の通りです。

内容 相続(財産基本通達) 法人税 摘要
課税時期前3年以内に取得等を行った土地 課税時期の通常取引価額相当額(=帳簿価額) 事業年度終了時の価額 相続税上の特殊な規定が、法人税法上は修正され、取得時期に関わらずすべての土地につき「事業年度終了時の価額」で評価。
上場有価証券 課税時期の最終価格、課税時期の月・前月・前々月の最終価格平均額のうち最も低い価額 事業年度終了日(or株式譲渡日)の最終価格 法人税上は、上場有価証券の時価につき、相続税法のような選択肢はない。
課税時期前3年以内に取得等を行った建物 課税時期の通常取引価額相当額(=帳簿価額) 同左 法人税法上、財産基本通達の修正が必要な取引は、土地・有価証券に限定されるため、建物に関しては、法人税法上は相続税通りの評価。

 

4.ご参考~個人から法人に譲渡又は贈与する場合~

「非上場株式」を、個人から「法人」に譲渡又は贈与する場合は、「所得税法上の時価」の論点となりますが、法人税法と同様の規定があります。
 

【所得税法基本通達59-6】

「原則として」、以下の修正を条件に「財産評価基本通達」(178~189-7)で算定された価額を利用してよい。

(1) 原則的評価(※1)かつ、株式を譲渡又は贈与した個人が、当該譲渡又は贈与直前に「中心的な同族株主」(※2)の場合は、当該発行会社は常に「小会社」(※3)として取り扱う
(2) 株式発行会社が有する土地等や上場有価証券は、財産評価基本通達185の「1株当たりの純資産価額」の計算に当たり、当該譲渡又は贈与の時における価額による。
(3) 財産評価基本通達185の「1株当たりの純資産価額」の計算に当たり、同通達186-2により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額は控除しない。

(※1) 財産評価基本通達 179、189-3の(1)で同通達179に準ずる場合を含む。
(※2) 財産評価基本通達 188の(2)の「中心的な同族株主」)。所得税上、「中心的な同族株主」の判定は、譲渡又は贈与直前の議決権の数により判定する「明文規定」があります。所得税は売主が有する資産キャピタルゲインに対して支配が離れる時点で課税される税金のため、株主判定も譲渡人の株式を譲渡する直前の状況で行う考え方です(相続税上の同族株主の判定は、相続or贈与後(取得後)の議決権割合により判定する点と大きく異なる)。
(※3) 財産基本通達178に定める「小会社」

 

(上記の影響)

法人税法と同様です。通常は、株価は高くなる傾向があります。
 

5.譲渡の際の贈与者・受贈者ごとの含み益控除のまとめ

含み益37%控除や会社区分は、譲渡側・譲受側が、個人なのか?法人なのか?によって、異なってきます。
贈与を例にすると、以下の通りとなります。
 

贈与者 受贈者 会社区分 純資産価額方式(含み益控除)
個人 個人 原則通り 37%控除OK
個人 法人 小会社(※) 37%控除×
法人 個人 小会社(※) 37%控除×
法人 法人 小会社(※) 37%控除×

(※)株式を譲渡又は贈与した個人及び法人が「中心的な同族株主」の場合
 

6.参照URL

(法人税基本通達9-1-13・9-1-14)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_03.htm

(基本通達59-6)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/12/02.htm

(財産基本通達186-3)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/04.htm#a-186_3
 

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